ねこ、旅に出る

普通ってなぁに?

修羅場到来。

ヨガスタジオを出て、

夕飯食べに出た。


わたしは

先生のTシャツを握ったり

たまに先生を後ろからギュッてしたり


してたら…


「だれ、この子。」


えっ…?


一瞬にして固まった。わたしたち。


先生の彼女って瞬時にしてわかった。


いきなり路地裏から出てきた。


「だれ?って聞いてんの。全然ラインも返信無いし、電話も出たり出なかったりだから、やっぱり、ね。」


握っていた先生のTシャツを、パッと離した。


「あんた、付き合ってる人いたの知ってたの?何歳?若そ。」


童顔なんです…わたしは知ってる、あなたとタメよ…どうでもいい情報か…


とか頭ん中は結構冷静だった。


こんなことが起きると思ってた。


わたしなら、そう、あなたが今してることをするから。


わたし「ごめんなさい。もう会いません。本当にすみませんでした。わたしが全部悪いので、先生は全然悪くないです。わたしが誘いました。もうもちろん二度と会うつもりないので、安心してください。」



とにかく、謝るしか自分にはできない。


本当に悪いことした…


先生「いや、それは俺が無理だから。」


は…????


先生「もう会えないのは俺が無理。」


え…????


修羅場はどうやら続くようだ…。


とりあえずこの場を乗り越えようとかないんやな。


どうするつもりやねん。


心の中で突っ込まずにはいられなかった。

似ている。

先生といると

あの時の自分を思い出す。


寿司屋でバイトしていた18歳の自分。


バイト先の店長(女)が

お店が終わって

駐車場に一緒に向かっていたら

急に手を繋いできて

後ろを振り返ったら

「かわいいね…」

って髪の毛をかき上げながら

キスしてきた。


ドキドキした。


女の人との初キス。


香水がふぁって

柔らかい唇で

脳がとろけそうなキス


どうしてわたしが女の子に興味あるって

わかったんだろう。


わたしは見た目、フェム。

街を歩いていても

なんならオフ会とか行っても

ノンケに見られる。


それから店長との

秘密が始まった。


店長は既婚者で、子どもちゃんがいた。


店長との秘密は一年半続いた。


バレた。


旦那さんにバレて、

修羅場だったな…。


わたしは違う県に引っ越した。


きっとわたしは

禁断の恋にハマりやすい。


だから、今も

あの時と同じ。


先生じゃなくなったら


この魔法もとける

すき。

そう、

わたしは先生の事が好き。


先生の事は、先生、って呼ぶ。


自分にブレーキをかけてるから。


名前で呼びはじめたら


何かが始まってしまいそう。

終わりが見えてるのに


…かわいそう。


悲劇のヒロイン


期間が決まっている恋愛


今は幸せ


先のことは知らない…


本当は

先生とずっといたい。


でも

さようなら。