ねこ、旅に出る

普通ってなぁに?

ネバーグローアップ。

先生と会わない、連絡を取り合わなくなって一週間が経った。


がんばって先生を忘れようと思ってた。


思ってたのに…


コンビニでATMを使って

振り返ったら、

なんと先生がコーヒーを選んでた。

お互い目が合った。


えっ…


そしてお互い固まった。


結構冷静に

ドラマかよ…

少女漫画かよ…

と心の中で突っ込んだ。


そしたらいきなり


先生がわたしの手を取り、外に出た。


「こんな偶然あるんかよ。。夕飯食べた?」


先生は優しい顔で聞いてきた。


わたし「まだ…」


先生「じゃぁ、話したいから、食べに行こうか。」


私たちは近くの居酒屋に行った。


あんまり飲まないわたしが4杯も飲んだ。

自分の気持ちをごまかしたかった。


先生「もう、どうしたら良いのか、わからない。君が好きなんだ。今までも、今も、好きが彼女より上回ったんだな、って何度も思わされる。」


わたしは、無の感情にするのに集中した。

なんていったって、彼女を選ぶんでしょ。

選ばなかったらそれはそれで嫌。


もう毎日夜は眠れないし

食欲もない。

身体も心もボロボロになってしまった。


食べ終わり、タクシーに乗ろうとしたら


わたしの手を引っ張って


先生「行かないで。一緒にいて。」


わたし「もぅ泣きたくない。辛くなりたくない。もぅ嫌だ。」


先生「ごめん、ごめん…」


と言ってキスをしてきた。


わたし「もぅ、やめて」


先生「好きなんだ。」


わたし「わたしだって好きだょ。でも、もぅやめよって決めたじゃん。やめてょ」


先生「お願い。帰らないで。」


わたし「帰る」


私たちはタクシーの真前、

道のど真ん中で

帰る帰らないで

40分の押し問答をした。


先生はわたしの手を引っ張って

おうちに向かった。


わたしは泣きながら「やめてよ、やめてよ」


先生はなぜか少し怒りながら前に進んだ。


酔っていたのもあって


そこまでしか覚えていない…


朝起きたら

裸の先生の腕の中にいたわたし


やっちまった…


物理的にも

精神的にも

心理的にも


やっちまった…

孤独。

本格的に彼女が動き始めた



わたしは先生に抱かれていた。


朝起きたら

彼女からラインがきていたらしい。


浮気相手に、

「あなたとは金輪際会わないです。」

という文句と、

浮気相手からの返信をスクショして。

毎晩よる11時にテレビ電話して。

あと、職場に監視カメラをつけて。


という内容だった。


先生は、ゾッとすると言ってたけど、

わたしは愛されてんな、って思ってしまった。


めちゃくちゃ先生のこと愛してるんだね。

そんな彼女を傷つけるとか、

とんだクソ男。↑だれ目線…

↑を好きになってしまったレズ。


カオスな状況。


「やっぱり、もう会うのやめる。わたし、がんばるから。先生の彼女に電話して。わたし、金輪際会いません、全部私が誘って、私が悪かったってあやまりたい。先生は、彼女と幸せになって。いい彼女…よそ見したら、だめだよ。」


と、わたしなりの精一杯の提案をした。


先生は、

「色々考えたい…」


と言って


その日は別れた。

堂々巡り

先生の荷物がお家にあったから

渡すため


最後に


会った。


そういえば

私の荷物は先生のお家にあったねって

気づいた。


その日は

めちゃくちゃ寒かった。


とりあえず先生のお部屋に入った。


先生は荷物の整理を始めた。


荷物をもらって

帰ろうとした時


「一回だけ、ギュッてしたい…」


先生がわたしに言った。


「やめよ、、、辛くなるだけだょ。」


言った瞬間に、抱きしめられて…


気がついたらキスをしていた。


先生は、わたしに「好き…」


と言って、またキスをした。


わたしは

「いやだ、いやだ、離れたくない。大好き…いやだ…やめてよ…好きとか言わないでょ…」


と泣いて駄々をこねて、

子どもみたいに帰りたくないと言った。


自分から言い出したくせに


「やっぱり、やめよう…わたし、帰る…」


お別れの日に


先生はわたしを激しく抱いた。


わたしは涙でぐちゃぐちゃになった顔で

幸せな最後の夜を過ごした。


朝方、スースー寝ている先生を眺めた。


本当に大好きだょ。


寝ている顔が愛しくて仕方がなかった。


離れたくないな…


先生をギュッて抱きしめて、おでこにキスした。


幸せになってね…


借りたパジャマを枕元に置いて


そっと玄関を出た。


朝日が眩しくて


寒い朝だった。


まだどうしたら良いのかわからない自分がいる。


ねぇ、どうしたらいいの…?